チキンカリー物語
GOODSEEYOU!の看板メニュー
「GOODチキンカリー」
スパイスが効いたトマトベースのパキスタン風チキンカリーです。
一応「カフェ」というスタイルで営業しているうちの店が
多くの方から「カレー屋さん」と呼ばれるのは
このGOODチキンカリーのインパクトが強いからだと思います。
他ではあまり見かけないパキスタン風のカレーであることに加え
店内に入るとカレーのスパイスの香りがするみたいだし
FOODメニューがこのカレーかホットサンドしかないことも
カレー屋さんと呼ばれるひとつの要因でしょう。
自分でもたまに”黒木町のカレー屋です”と名乗りますし。
うちの店の電話番号を
「カレーの牛島」と電話帳に登録されているお客様もいらっしゃるようで。
そもそも私は調理師免許を持っていなければ
飲食店で調理アルバイトをした経験もありませんし
ましてやパキスタンに行ったこともございません。
日本を出たことがありません。
GOODSEEYOU!開業前は
スペシャルティコーヒー専門店で働いていたし
その前は高校で国語を教えていたし
実家がカレー屋というわけでもございやせん。
実家は内装屋です。
それではなぜ
料理素人、カレー素人の私が
このパキスタンカレーを作ることができるのでしょうか。
時をさかのぼること10年。
2012年4月。
私は岩手県陸前高田市に居ました。
前年に起きた東日本大震災のボランティアとして
2013年12月までの約1年8ヵ月、陸前高田市に移住していました。
そこでは
地震と津波によって大量に出たガレキを
カラフルなキーホルダーに変える取り組み
「瓦Re:キーホルダー(ガレキーホルダー)」のスタッフとして活動していました。
そこからさらに陸前高田で何かできないかと
共に活動していたスタッフと地元の方々とで話し合った結果、
”人が集まり、これからの街の未来を語れる場所を作ろう”ということになり
陸前高田の街にカフェを開くこととなりました。
私はガレキーホルダーの活動と並行して、
カフェ「ハイカラごはん職人工房」立ち上げスタッフとして
開業に携わることとなりました。
*そのカフェは現在も「カレーとてづくりおやつ フライパン」と名前を変えて陸前高田で営業中です。
そして
その陸前高田で開いたカフェの看板メニューが
パキスタン風のスパイスカレー「ハイカラチキンカレー」です。
北海道から来ていたボランティアスタッフシェフ(ゆうじ君)考案のカレーで
初めて試食したときは、今まで食べたことのないカレーに、そしてその美味しさに
衝撃が走り回りました。
そんな「ハイカラチキンカレー」の味が忘れられず
どうしても八女の自分のカフェでも提供したい、
八女のお店に来ていただくお客様にも食べていただきたいと思い、
開業前に再び陸前高田に行き、レシピや仕込み方を教えてもらいました。
そこに自分なりの少しのアレンジを加えて完成したのが
「GOODチキンカリー」というわけです。
これが
料理素人の私がこのカレーを作ることができる理由です。
北海道から東北へ渡り
そこから八女へ繋がれたチキンカレーの味。
日本縦断カレー。
様々な想いの詰まったこの味が
個人的にもとても思い入れの強いこのカレーが
GOODSEEYOU!に来ていただいている皆様に受け入れられていることを
とても嬉しく思っています。
食べていただきありがとうございます。
これからも気持ちを込めて仕込み続けます。
開店から間もなく3年を迎えますが
このカレーについて自分の口からあまり説明したことがなかったので書いてみました。
「このカレーの隠し味は?」と聞かれたら
このストーリーだと答えます。
長々と続いた駄文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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